対語・反対語 その1

言葉の意味は文脈依存である。辞書に書かれた物が総てではない。

nifty:FNIHONGO/MES/08/5300 yhiro さん

まぐまぐ」に載っていたネタなのですが、小学生の国語のテストで「間違い」の反対は何かを問うのがあったそうです。そこでは、自分の子供は「間違っていない」と答えた……。ということで終わっていました。さて「間違いの反対語って何だろう」と考えたら解らなくなって、いろいろ調べてみたらどうやら「正しい」らしいんですが、はたしてこれでいいんでしょうか?。「間違い」は動詞「間違う」の連用形だし、「正しい」は形容詞で、全然対応していないように思えるんですが。

「?」のあとに「。」を書くのは妥当か、という話ではない。
上の例では「正しい」を答とするのは間違いである。「間違い」は多義であり、その場の文脈によって意味が異なる。更には「反対」を安直に問う出題者の無能ぶりも指摘しておきたい。

「男女の間違い」不道徳なことを意味する。無理に反対語を考えれば純粋異性交遊だろう。
「字の間違い」誤りの存在を意味する。正答・正解・正当、いろいろあるだろう。
「何かの間違いがあったんじゃないか」事故の存在を意味する。対するは平穏・平安だろう。
つまり「間違い」とは「期待されざる事の存在」であり、それの反対は「期待されざる事の非存在」である。万事に通じる「間違い」の反対語を問うならば「間違いがない」で良いのであり、先の子供の答も間違っていないと僕は考える。そもそも「間違い」の反対語なんてモノは日本語に存在しないのだ。(言い切ってみた。反論乞う)

対語は「たいご」と読む。「ついご」と読んでも差し支えはないが辞書で引く時に苦労するかもしれない。
対語は必ず一つ存在するというものではない。「愛」の対語は「憎」だということなら、では「愛憎」の対語はなんだ?
「松」の反対は「梅」か、じゃ、「竹」の立場はどうなる。(つまりトランプのハート・ダイヤ・クラブ・スペードのような関係性の場合はどうするのかということ) 「寒い」の対は「暑い」か、では「暖かい」や「涼しい」は関連語のグループとして纏める必要はないのか?(強弱に対して中というオプションは有り得ないかという疑問)
反対を問うのなら出題者の意図する答が一意になるように出題をコントロールする責任がある。